「万世一系の皇統」を守る
(1)「万世一系の皇統」とは
神武天皇から男系で継承してきた皇統を「万世一系の皇統」といいます。よって皇位継承の資格のある方は、父方をたどると神武天皇にたどり着く方だけが皇位の継承をできる方です。そして世界の中で建国以来「万世一系の皇統」を守っているのは日本だけです。
(2)我々の先人は何故「万世一系の皇統」を守ってきたのか
日本は諸外国に比べると動乱の少ない国です。又、動乱が有っても、諸外国と比べると動乱の度合いがはるかに穏やかな国です。それは神武天皇から続く「万世一系の皇統」の存在により、ある一定程度の社会秩序が保たれているからです。その事を先人は知っていたので神武朝の「万世一系の皇統」を守ってきたのです。
(3)女性差別についての反論
皇室典範において、愛子内親王が即位出来ないのは「女性差別」であると指摘をする方がいます。しかし、「差別」について論ずるのであれば、一般国民は全員が天皇になれないのですから、天皇そのものを「差別」の対象として論ずるのであれば、まだ理解できますが、「天皇」を認めておいて、「女性差別」だけを持ち出すことは理解できません。
(4)「宮家」は何故必要なのか
上皇陛下が天皇在位中に、「ご高齢なのでご公務を軽減して、その分を宮家の方々にお願いしましょう」という議論がされましたが、この議論は明らかに「宮家」の存在理由を理解していません。
「宮家」とは、「万世一系の皇統」を守る為にあるのです。決して天皇陛下のご公務を代行する為にあるのではありません。
(5)「女性宮家」と「女系天皇」を反対する理由
「女性宮家」については(4)の理由により反対です。 「女系天皇」になると、王朝が「神武朝」から違う王朝に変わります。一度王朝が変わると、次から次へと王朝が変わる可能性があります。そして王朝が変わると内乱の可能性が高くなり、またその機会に外国から侵略を受ける可能性が高くなります。先人はその危険性をよく知っていたので「万世一系の皇統」を守り通してきたのです。
(6)「皇室」と「権力者の子供」との間にお生まれになったお子様について
日本の歴史において多くの権力者がいました。その多くの「権力者の娘」と「皇室の男子」との間にお生まれになられたお子様が天皇に即位された歴史はあります。しかし、「権力者の息子」と「皇室の女子」の間にお生まれになられたお子様が天皇に即位した歴史はありませんでした。そして、どの権力者もそんな大それたことはしませんでしたし、出来ませんでした。
(7)江戸時代にもあった「皇統の危機」に幕府はどの様に対応したのか
江戸時代にも皇統の危機がありました。第六代将軍徳川家宣の側近である新井白石は、「万世一系の皇統」を護持するには、「後継者のいる宮家が最低四つ必要である」との考えを、徳川家宣に進言をして、幕府は伏見宮家・桂宮家・有栖川宮家に続く第四の宮家である「閑院宮家」を創設しました。その「閑院宮家」が現在の天皇家です。
(8)側室が無くても「万世一系の皇統」を守ることは出来る
新井白石が「閑院宮家」を創設した前例に倣い、後継者のいる宮家が四つあれば側室の必要はありません。
(9)大東亜戦争の敗戦時にもあった「皇統の危機」にどの様に対応したのか
日本が唯一敗戦を経験した、大東亜戦争の降伏条件である「ポツダム宣言」を受諾した時でさえ、「国体の護持」を条件にポツダム宣言を受け入れました。
大東亜戦争の敗戦の時にでさえ守ってきた「万世一系の皇統」を、この平和な時に守れないはずがありません。新井白石の前例に倣えば良いのです。
(10)旧宮家の男系男子の皇室復帰反対への反論
「今まで一般人だった方を、皇族として迎え入れ、そして天皇に即位した場合に、国民は素直に天皇として受け入れる事ができるのか?」という意見がありますが、悠仁親王がご健在の今、旧皇族の方がすぐに天皇に即位される事はありません。仮に即位されるとしても、悠仁親王の次の世代になるので、国民は素直に受け入れる事でしょう。
(11)天皇家に最も近い旧宮家の男系男子は
東久邇宮家には、明治天皇の第九皇女である泰宮様と、昭和天皇の長女であり上皇陛下のお姉様の照宮様が嫁がれています。そして現在五人の男の子がいます。この方々が天皇家に最も近い旧宮家の男系男子です。
(12)まとめ
日本の歴史において「皇統の危機」は幾度かありましたが、その都度、我々の先人達は「万世一系の皇統」を守ってきました。 日本国憲法の第一章の第一条に「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」とあります。この「日本国民の総意」とは今現在を生きている日本人だけでしょうか?「万世一系の皇統」を守ってきた多くの先人達も「日本国民の総意」であると思います。
「女性宮家」「女系天皇」は、「万世一系の皇統」の断絶につながる恐ろしい考え方です。 我々の先人である和気清麻呂は、女性天皇である称徳天皇が皇位を道鏡に譲ろうとした時に、称徳天皇の意に反し「万世一系の皇統」を守りました。よって称徳天皇の逆鱗に触れて流罪になりました。和気清麻呂は流罪になってまでも「万世一系の皇統」を守りました。
新井白石は「万世一系の皇統」を守るには、後継者のいる宮家が少なくとも四つあれば「万世一系の皇統」を守ることが出来るとの考えに至り、現在の天皇家である「閑院宮家」を創設しました。新井白石に倣えば、秋篠宮家に続く三つの宮家を新たに創設する必要があります。
今現在を生きる我々は、和気清麻呂と新井白石から多くのことを学び「万世一系の皇統」を守っていかなければなりません。それが先人達も含めた「日本国民の総意」なのです。